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営業資料の作り方|成果が出る構成テンプレートと比較表のコツ【中小企業向け】

この記事の筆者
中井 寛太
株式会社JIMOTO Marketing Share BureauでマーケティングやPRを担当。Web系の広告代理店で、ブランディングマネージャーとして活動した経験を活かし最新のトレンドやビジネス情報を執筆します。
「営業資料が担当者ごとにバラバラで、何を渡しているか分からない」「資料を送っても、その後の返事がない」。BtoBの中小企業から、よくいただく相談です。
営業資料は、営業担当がいない場所でも自社の価値を説明してくれる道具です。とくに検討する人が複数いるBtoBでは、担当者が社内で回覧する資料の出来が、受注を左右します。
本記事では、200社以上の中小企業のマーケティングを支援してきた当社の経験をもとに、次のことを解説します。
営業資料と会社案内・ホワイトペーパーの違い
成果が出る営業資料の基本構成(テンプレート)
「1枚1メッセージ」で作る手順
競合名を出さずに作る比較表の作り方
商談前に送る版と、商談中に使う版の使い分け
営業資料とは?会社案内・ホワイトペーパーとの違い
営業資料とは、自社の商品・サービスについて「なぜ選ぶべきか」を説明し、商談を前に進めるための資料です。サービス紹介資料とも呼ばれます。読み手は、すでに課題を感じていて、解決の方法を比べている人です。
会社案内やホワイトペーパーとは、読む人の段階と目的が違います。この違いを混ぜると、どれも中途半端な資料になります。
項目 | 営業資料 | 会社案内 | ホワイトペーパー |
|---|---|---|---|
主語 | 商品・サービスと読み手の課題 | 会社そのもの | 読み手の課題 |
読む人の段階 | 比較・検討の段階 | 取引の前後(信用の確認) | 情報収集の段階 |
目的 | 商談の前進・受注 | 会社の信用を伝える | 連絡先の獲得と信頼づくり |
中心になる内容 | 解決策・選ばれる理由・事例・料金 | 沿革・理念・拠点・事業内容 | ノウハウ・チェックリスト |
ページ数の目安 | 10〜20ページ | 4〜12ページ | 10〜15ページ |
ページ数は当社の支援現場での目安です。商材の複雑さによって前後します。
営業資料に会社の沿革や理念を長く入れてしまうのは、よくある失敗です。会社の情報は最後の1ページにまとめ、読み手が知りたい「自社の課題がどう解決するか」を中心にします。情報収集の段階の見込み客には、ホワイトペーパーを先に渡すと、売り込み感なく関係をつくれます。
成果が出る営業資料の基本構成
結論から言うと、営業資料は「課題→解決策→選ばれる理由→事例→料金・導入の流れ→よくある質問→次のステップ」の順で組むと、ほとんどの商材で使えます。読み手が社内で説明するときに必要な情報が、この順番でそろうからです。
ページ | 章 | 伝えること |
|---|---|---|
1 | 表紙 | サービス名と「誰の何を解決するか」を1行で |
2〜3 | 課題 | 読み手が「うちのことだ」と感じる状況を3つ程度 |
4〜6 | 解決策 | サービスの全体像と、課題がどう解決するか |
7〜8 | 選ばれる理由 | ほかの方法と比べた強みを3つまで。比較表を入れる |
9〜11 | 事例 | 導入前の課題、取り組み、導入後の変化 |
12〜13 | 料金・導入の流れ | 料金の目安、契約から稼働までの手順と期間 |
14 | よくある質問 | 商談でよく聞かれる質問と答え |
15 | 次のステップ | 相談・見積もり・デモなど、次にしてほしい行動 |
16 | 会社概要 | 会社名・所在地・実績など最低限の情報 |

表紙は「誰の何を解決するか」を書く
表紙にサービス名しか書かれていないと、社内で回覧されたときに何の資料か伝わりません。「従業員50名以下の製造業の、紙の日報をなくすクラウドサービス」のように、対象と解決することを1行で入れます。
課題は読み手の言葉で書く
課題のページは、営業担当が商談でよく聞く悩みを、お客様が実際に使った言葉のまま書きます。「業務効率化の遅れ」より「日報の集計に毎月2日かかっている」のほうが、読み手は自分ごととして読めます。
選ばれる理由は3つまでに絞る
強みを7つも8つも並べると、どれも印象に残りません。読み手が比べるときに本当に効く理由を3つに絞り、それぞれに根拠(数字・仕組み・事例)を付けます。
事例は「導入前→取り組み→導入後」の3点で
事例は、社名を出せなくても業種・規模・課題が分かれば十分に役立ちます。導入後の変化は、できるだけ数字で書きます。数字がない場合は、お客様の声を短く引用します。
料金と導入の流れは隠さない
料金を書かないと、読み手は社内で予算の相談ができず、検討が止まります。個別見積もりの場合でも「月額〇万円〜」「初期費用の目安」など、判断に必要な幅は示します。導入の流れは、契約から稼働までの手順と期間を図にします。
最後は「次のステップ」を1つに絞る
最後のページには、読み手に次にしてほしい行動を書きます。「無料相談」「見積もり依頼」「デモの予約」など、選択肢は1〜2つに絞り、申込の方法と連絡先を明記します。
営業資料の作り方|「1枚1メッセージ」で組み立てる
営業資料作りでいちばん大切なのは、1枚のスライドで伝えることを1つに絞ることです。いきなりスライドを作り始めず、先に各ページの「伝えたい1文」を一覧にすると、資料全体の流れが崩れません。
手順 | やること | 目安 |
|---|---|---|
1. 読み手を決める | 業種・役職・検討段階を1行で書く。決裁者か担当者かも決める | 半日 |
2. 営業に聞く | 商談でよく聞かれる質問、失注の理由、受注の決め手を集める | 1〜2日 |
3. 構成を作る | ページごとに「伝えたい1文」と、それを支える根拠・図表を決める | 1〜2日 |
4. スライドにする | 1枚1メッセージで、見出しに結論を書く | 3〜5日 |
5. 営業で試す | 実際の商談で使い、反応と質問を記録して直す | 2〜4週間 |
スライドの見出しは「結論の1文」にする
見出しを「サービスの特徴」「導入事例」のような名詞にすると、読み手は本文を読まないと内容が分かりません。「導入から1か月で稼働できます」「入力の手間は1日5分です」のように、見出しにそのページの結論を書きます。見出しだけを順に読んでも話が通じる資料が理想です。
文字を減らし、図表で見せる
1枚のスライドに文字を詰め込むと、読まれません。本文は3行程度にとどめ、数字は表やグラフ、手順は流れ図で見せます。根拠となる図表を先に決めてから文章を書くと、文字が増えすぎずに済みます。
営業担当の意見を必ず入れる
マーケティング担当や社長だけで作った営業資料は、現場で使われないことがよくあります。手順2で営業担当に話を聞き、手順5で実際の商談で試してもらうことで、「使われる資料」になります。
比較表の作り方|競合名を出さずに「選び方の基準」で比べる
営業資料の比較表は、競合の社名を出さずに「一般的な方法」と比べるのがおすすめです。社名を出すと情報の正確さに責任を持つ必要があり、相手の料金改定などで内容がすぐ古くなります。読み手にとっても、知りたいのは他社の悪口ではなく「何を基準に選べばいいか」です。
比較表を作る4つの手順
比較軸を決める:読み手が選ぶときに気にする点(費用、導入までの期間、手間、サポート、成果の見えやすさなど)を、営業に聞いて5〜7個挙げます。
比べる相手を決める:「自社で対応する」「一般的な〇〇サービス」「従来の方法」など、読み手が実際に比べている選択肢を2〜3個選びます。
事実で埋める:各マスを、具体的な数字や仕組みで埋めます。「◎・○・△」だけでなく、理由を短く添えると説得力が増します。
自社が向かない場合も書く:すべての軸で自社が勝つ表は、かえって信用されません。「こういう会社には別の方法が合う」と書くと、表全体が信頼されます。
たとえば、マーケティング支援サービスの営業資料なら、次のような比較表になります。
比較軸 | 自社サービス | 一般的な方法A(社内で採用) | 一般的な方法B(業務ごとに外注) |
|---|---|---|---|
始めるまでの期間 | 1か月未満 | 採用まで数か月かかることが多い | 業務ごとに依頼先を探す必要がある |
対応できる範囲 | 戦略から実務まで一括 | 採用した人の経験による | 依頼した業務のみ |
費用の考え方 | 月額固定 | 人件費と採用費 | 業務ごとに発生 |
社内にノウハウが残るか | 内製化まで支援 | 残る(退職すると失われる) | 残りにくい |
向いている会社 | 専任担当がいない中小企業 | 長期的に専任を育てたい会社 | やることが明確に決まっている会社 |

最後の「向いている会社」の行は、とくにおすすめです。読み手は自社がどこに当てはまるかを自分で判断でき、社内で説明するときにもそのまま使えます。
商談前に送る版と、商談中に使う版を分ける
営業資料は、1つで全部をまかなおうとせず、「商談前に送る版」と「商談中に使う版」の2つに分けると成果が出やすくなります。読み手が1人で読むのか、営業担当が説明しながら見せるのかで、必要な情報量が違うためです。
項目 | 商談前に送る版 | 商談中に使う版 |
|---|---|---|
使う場面 | 問い合わせ後、アポイント前にメールで送る | 商談の場で、画面共有や印刷で見せる |
読み方 | 読み手が1人で読む。社内で回覧される | 営業担当が説明しながら見せる |
ページ数 | 8〜12ページ程度に絞る | 15〜25ページ。補足資料も付ける |
文字の量 | 説明がなくても分かるよう、文章で補う | 文字は少なめ。話す内容は営業が補う |
入れる内容 | 課題・解決策・選ばれる理由・事例・料金の目安 | 詳しい機能、導入手順、個別の見積もり、質疑への回答 |
最後のページ | 商談の日程調整の案内 | 見積もり・トライアルなど次の約束 |
商談前に送る版は、PDFにしてファイル名に会社名とサービス名、日付を入れておくと、社内で転送されても何の資料か分かります。商談中に使う版は、相手の業種ごとに事例のページだけを差し替えられるようにしておくと、準備の手間が減ります。
見やすい営業資料にするデザインの基本
営業資料のデザインは、凝ることより「迷わず読めること」を優先します。デザインの専門家がいなくても、次のルールを決めておくだけで、資料全体の印象がそろいます。
項目 | 決めておくこと |
|---|---|
色 | 基本の色を2〜3色に絞る。強調に使う色は1色だけにする |
文字 | フォントは1〜2種類。本文は小さくしすぎず、離れた画面でも読める大きさにする |
配置 | 見出しの位置と余白をすべてのページでそろえる |
図表 | 数字は表かグラフ、手順は流れ図、比べるときは比較表で見せる |
写真・画像 | サービスの画面や現場の写真など、実物が伝わるものを使う |
ページ番号 | 電話やメールで「〇ページの件ですが」と話せるよう、必ず入れる |
表紙、本文、比較表、事例、まとめのページの型を一度作っておけば、業種別の版を作るときも流し込むだけで済みます。社内の誰が作っても同じ見た目になるので、資料の品質がそろいます。
そのまま使える「営業資料 構成シート」
ここまでの内容を、Excelの構成シートにまとめました。スライドを作り始める前に、このシートでページごとの「伝えたい1文」を決めておくと、資料の流れが崩れません。
シート | 記入する項目 |
|---|---|
使い方 | 目的、記入の手順、注意点 |
構成 | ページ・章・伝えたい1文・根拠/図表・状態(未着手/作成中/完了) |
比較表の型 | 比較軸・自社・一般的な方法A・一般的な方法B |

記事内のテンプレート(Excel)は無料でお渡ししています。ご希望の方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
営業資料作りでよくある失敗
会社紹介から始まる:沿革や理念から始まる資料は、最初の数ページで読むのをやめられます。会社の情報は最後にまとめます。
機能の説明ばかりになる:読み手が知りたいのは機能ではなく、自社の課題がどう解決するかです。機能は「それで何が変わるか」とセットで書きます。
担当者ごとに資料が違う:各自が手を加えた資料が出回ると、古い料金や事例が混ざります。最新版の置き場所を1つに決め、更新日をファイル名に入れます。
作ったまま直さない:営業資料は、商談で使いながら直していくものです。よく聞かれる質問や失注の理由が出たら、資料に反映します。
作る時間がない:構成だけ社内で決め、原稿やデザインは外部に任せるのも一つの手です。マーケティング代行の多くは、営業資料の制作も業務範囲に含んでいます。
よくある質問
営業資料は何ページくらいが適切ですか?
商談前に送る版は8〜12ページ、商談中に使う版は15〜25ページ程度が目安です。ページ数より、1枚1メッセージで流れが通っているかが大切です。補足の情報は本編から外し、巻末の資料としてまとめます。
営業資料はPowerPointとGoogleスライドのどちらで作るべきですか?
社内で使い慣れているほうで構いません。大切なのは、最新版の置き場所を1つに決め、誰でも同じ資料を使える状態にすることです。外部に送るときは、レイアウトが崩れないようPDFにします。
無料の営業資料テンプレートを使ってもいいですか?
デザインの土台として使うのは問題ありません。ただし、テンプレートが決めてくれるのは見た目だけです。構成と「伝えたい1文」は、自社の読み手と商談の実態に合わせて決める必要があります。
比較表に競合の社名を出してもいいですか?
おすすめしません。他社の情報が正確でなかったり古くなったりすると、自社の信用を損ねるおそれがあります。社名を出す場合は、事実に基づき、出典や時点を明記するなど、慎重な扱いが必要です。本記事のように「一般的な方法」と比べれば、こうした心配はありません。
営業資料はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
当社の支援現場では、四半期に1回を目安に見直すことをおすすめしています。料金や事例が変わったとき、商談で同じ質問が何度も出たときは、時期を待たずに直します。
まとめ
営業資料は比較・検討の段階の読み手に向けた資料。会社案内やホワイトペーパーとは分けて作る
基本構成は「表紙→課題→解決策→選ばれる理由→事例→料金・導入の流れ→よくある質問→次のステップ」
1枚1メッセージで、見出しに結論を書く。比較表は競合名を出さず「選び方の基準」で比べる
商談前に送る版と商談中に使う版を分け、商談で使いながら直していく
営業資料作りに手が回らないなら「JIMOTOの外付けマーケチーム」
当社のマーケティング代行「JIMOTOの外付けマーケチーム」は、営業資料の構成づくりから原稿・デザイン、商談で使いながらの改善までを専門チームでまとめて引き受けます。
営業担当へのヒアリングから構成・比較表・デザインまで一貫して対応
稼働を15分単位で記録して毎週開示。使い切らなかった分は翌月に繰り越し
月額30万円から(税別)。内製化までを見据えた支援
→ 料金プランや支援内容を見る(マーケティング代行サービスページ)
記事監修
株式会社JIMOTO Marketing Share Bureau
代表取締役 鶴 智之(プロフィール)
キャリアを通してBtoBマーケティングのクライアントワークに従事。前職では株式会社Resorzの取締役を務め、海外ビジネス支援事業にも携わる。200社以上のマーケティング支援実績と、多数の自治体案件のPM経験を持つ。「マーケティングで地域を元気に」をモットーに、地域企業の成長を支援している。
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