公開日:
更新日:
ホワイトペーパーの作り方|構成テンプレート・7つの種類・AI活用の手順【中小企業向け】|JIMOTO STUDY

この記事の筆者
中井 寛太
株式会社JIMOTO Marketing Share BureauでマーケティングやPRを担当。Web系の広告代理店で、ブランディングマネージャーとして活動した経験を活かし最新のトレンドやビジネス情報を執筆します。
「ホワイトペーパーを作れば問い合わせが増えると聞いたが、何を書けばいいか分からない」「作ったものの、ほとんどダウンロードされない」。BtoBの中小企業から、よくいただく相談です。
ホワイトペーパーは、うまく作れば広告費をかけ続けなくても見込み客の連絡先が集まる資産になります。一方で、自社の売り込み資料をPDFにしただけでは、まず読まれません。
本記事では、200社以上の中小企業のマーケティングを支援してきた当社の経験をもとに、次のことを解説します。
ホワイトペーパーの意味と、営業資料との違い
リード獲得につながる7つの種類と、選び方
1本を2〜3週間で作る6つのステップ
そのまま使える構成テンプレート(Excel)
生成AIで下書きを速くする方法と、やってはいけないこと
ホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーとは、見込み客の課題解決に役立つ情報をまとめ、メールアドレスなどの連絡先と引き換えにダウンロードしてもらう資料のことです。BtoBマーケティングでは、まだ商談の段階にない見込み客と最初につながる「入口」の役割を持ちます。
もともとは政府や企業が発行する報告書を指す言葉でしたが、マーケティングの現場では「お役立ち資料」「ダウンロード資料」とほぼ同じ意味で使われています。
営業資料・会社案内との違い
いちばん大きな違いは、主語です。営業資料は「自社の商品」が主語ですが、ホワイトペーパーは「読み手の課題」が主語です。
項目 | ホワイトペーパー | 営業資料・会社案内 |
|---|---|---|
主語 | 読み手の課題 | 自社の商品・会社 |
読む人の段階 | 情報収集の段階(まだ比較していない) | 比較・検討の段階 |
目的 | 連絡先の獲得と信頼づくり | 受注・商談の前進 |
自社紹介の量 | 最後の1〜2ページ程度 | 資料の大半 |
「ダウンロードされても商談にならない」という悩みの多くは、この2つを混ぜてしまうことから起きます。入口のホワイトペーパーで信頼をつくり、その後のメールや電話で営業資料を渡す、という順番で考えると設計しやすくなります。
ホワイトペーパーで得られる3つの効果
1. 広告費に頼らず連絡先が集まる
一度作れば、自社サイト・記事・メルマガ・展示会のフォローなど、いろいろな場所で使い回せます。月に数件でも、毎月積み上がる連絡先は営業の大きな助けになります。
2. 「どんな課題に関心があるか」が分かる
どの資料をダウンロードしたかを見れば、その人が今どんな課題を抱えているかが分かります。電話やメールでの最初の一言が変わり、商談につながりやすくなります。
3. 専門性が伝わり、比較の土俵に乗りやすくなる
中小企業は知名度で大手にかないません。役に立つ資料を先に渡しておくことで、「詳しい会社」として比較候補に入りやすくなります。
ホワイトペーパーの7つの種類と選び方
ホワイトペーパーには、読み手の検討段階に合わせていくつかの型があります。最初の1本は、自社の営業が「よく聞かれる質問」にそのまま答える型を選ぶのが近道です。
種類 | 中身 | 向いている段階 | 作りやすさ |
|---|---|---|---|
課題解決型(ノウハウ) | よくある課題と解決の手順 | 情報収集 | 作りやすい |
チェックリスト型 | 自社の状況を確かめる項目一覧 | 情報収集 | 最も作りやすい |
テンプレート型 | そのまま使える表・書式 | 情報収集〜比較 | 作りやすい |
調査レポート型 | アンケートや独自データの結果 | 情報収集 | 手間がかかる |
用語集・入門型 | 分野の基本用語や全体像 | 情報収集の初期 | 普通 |
事例集型 | 導入企業の課題と成果 | 比較・検討 | 事例が必要 |
比較・選び方型 | 製品やサービスの選び方の基準 | 比較・検討 | 普通 |

中小企業で特に成果が出やすいのは、チェックリスト型とテンプレート型です。読み手がすぐに使えるため「もらって得した」と感じてもらいやすく、作る側も10〜15ページ程度で済みます。
ホワイトペーパーの作り方6ステップ
当社が支援現場で使っている手順です。1本あたり2〜3週間が目安です。いきなりスライドを作り始めず、ステップ1〜3の企画に時間の半分を使うのがコツです。
ステップ | やること | 目安 |
|---|---|---|
1. 読み手を決める | 業種・役職・抱えている課題を1行で書く | 1日 |
2. テーマを決める | 営業がよく聞かれる質問から選ぶ | 1日 |
3. タイトルと目次を作る | タイトル案を3つ出し、目次を5〜7章で組む | 2〜3日 |
4. 原稿を書く | 1章1メッセージで、図表を先に決める | 5〜7日 |
5. デザインする | 表紙・目次・本文・まとめ・会社紹介の型に流し込む | 3〜5日 |
6. 公開と導線づくり | ダウンロードページ、フォーム、お礼メールを用意する | 2〜3日 |

ステップ1:読み手を1人に絞る
「中小企業の経営者」では広すぎます。「従業員30名の製造業で、営業を兼務している総務部長」のように、顔が浮かぶところまで絞ります。読み手が決まると、使う言葉や事例が自然に決まります。
ステップ2:営業がよく聞かれる質問からテーマを選ぶ
テーマ選びで迷ったら、営業担当に「商談でよく聞かれる質問を5つ教えてください」と聞いてみてください。お客様が実際に口にした質問は、そのまま検索され、そのまま資料のタイトルになります。
ステップ3:タイトルは「誰の・何が・どうなる」
ダウンロードされるかどうかは、タイトルでほぼ決まります。「〇〇業向け」「チェックリスト〇項目」「テンプレート付き」など、読み手と得られるものが一目で分かる言葉を入れます。
弱いタイトル | 改善したタイトル |
|---|---|
Web集客のポイント | 製造業向け|問い合わせが増えるWebサイト改善チェックリスト20項目 |
採用ノウハウ集 | 応募が来ない求人票を直す|書き換え例10選とテンプレート |
ステップ4:原稿は「1章1メッセージ」で書く
各章で伝えることを1文に絞り、それを支える図表を先に決めてから文章を書きます。文章を先に書くと、スライドに文字があふれて読まれない資料になりがちです。
ステップ5:デザインは型を決めて流し込む
デザインに凝るより、読みやすさを優先します。表紙、目次、本文、まとめ、会社紹介とお問い合わせ、の5つの型を一度作れば、2本目以降は流し込むだけで済みます。
ステップ6:ダウンロードの導線とお礼メールまで作る
資料ができても、置き場所がなければダウンロードされません。関連する記事の本文中やサイドバー、メルマガ、展示会後のフォローメールなどに導線を置きます。ダウンロード直後に送るお礼メールには、次に読んでほしい資料や、相談の窓口を書いておきます。
そのまま使える構成テンプレート
中小企業のBtoBで、成果が出やすい基本構成です。10〜15ページを目安にしてください。
ページ | 章 | 書くこと |
|---|---|---|
1 | 表紙 | タイトル、対象読者、得られること |
2 | はじめに・目次 | この資料で解決できる悩みと、全体の流れ |
3〜4 | よくある課題 | 読み手が「うちのことだ」と感じる状況を3つ |
5〜6 | 原因 | 課題が起きる理由。読み手が気づいていない点を1つ入れる |
7〜11 | 解決の手順・チェックリスト | やることを順番に。図表や記入例を入れる |
12 | 事例 | 実際に取り組んだ会社の変化(匿名でも可) |
13 | まとめ | 今日からできることを3つ |
14〜15 | 会社紹介・お問い合わせ | 支援内容、相談の窓口、次に読んでほしい資料 |
この構成を、企画から公開までの管理表と一緒にExcelのテンプレートにまとめました。タイトル案や章ごとの「伝えたい1文」を記入していくだけで、企画が固まります。

記事内のテンプレート(Excel)は無料でお渡ししています。ご希望の方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
生成AIでホワイトペーパーを作る方法
生成AIは、ホワイトペーパー作りの時間を大きく減らしてくれます。ただし、AIに任せてよいのは「たたき台づくり」までです。中身の根拠と自社らしさは、人が入れる必要があります。
工程 | AIに任せやすいこと | 人がやること |
|---|---|---|
テーマ出し | 読み手の課題から、テーマ案を20個出す | 営業の実感と照らして選ぶ |
タイトル・目次 | タイトル案と目次案を複数出す | 読み手に刺さるものを決める |
原稿 | 章ごとの下書き、言い回しの整理 | 自社の事例・数字・意見を書き足す |
デザイン | 図解の構成案、スライドの文字量の調整 | 見た目と読みやすさの最終確認 |
チェック | 誤字脱字、分かりにくい表現の指摘 | 事実関係と数字の確認 |
AIへの指示(プロンプト)の例
AIには、読み手・目的・形式をセットで伝えると、使える下書きが出やすくなります。たとえば次のように指示します。
「あなたはBtoBマーケティングの編集者です。読み手は従業員30名の製造業で、営業を兼務している総務部長です。『問い合わせが増えるWebサイト改善チェックリスト』というホワイトペーパーの目次を、7章構成で作ってください。各章には、読み手が得られることを1文で添えてください。」
AIを使うときの注意点
数字や統計をそのまま使わない:AIはもっともらしい数字を作ることがあります。統計は必ず一次情報(官公庁の調査など)で確認します。
顧客情報を入力しない:社外秘の情報やお客様の個人情報は入力しないルールを決めておきます。
自社の一次情報を必ず入れる:AIだけで作った資料は、どこかで読んだような内容になります。自社の事例、現場で見た失敗、具体的な数字が入ってはじめて「ダウンロードする価値」が生まれます。
作った後が本番|ダウンロード後のフォロー
ホワイトペーパーは、ダウンロードされた時点ではまだ「名刺交換をしただけ」の状態です。商談につなげるには、その後のフォローまで決めておく必要があります。
タイミング | やること |
|---|---|
ダウンロード直後 | お礼メールを自動送信。関連する資料や記事を1つ案内する |
2〜3日後 | 役職や会社規模を見て、見込みの高い人には電話やメールで一言フォロー |
その後 | メルマガで定期的に情報を届け、相談のタイミングを待つ |
毎月 | 資料ごとのダウンロード数と、そこから生まれた商談数を振り返る |
「ダウンロード数は多いのに商談がない」場合は、資料のテーマが入口すぎるか、フォローが止まっているかのどちらかです。数字で振り返ると、次に作るべき資料も見えてきます。
ホワイトペーパー作りでよくある失敗
自社の商品紹介が中心になっている:読み手は売り込まれたくありません。自社紹介は最後の1〜2ページにとどめます。
情報を詰め込みすぎる:1冊で全部を伝えようとせず、テーマを分けて複数の資料にします。
作って終わりになる:導線とフォローがなければ、資料は眠ったままです。
社内の誰も作る時間がない:企画だけ社内で決め、原稿やデザインは外部に任せるのも一つの手です。マーケティング代行の多くは、ホワイトペーパー制作も業務範囲に含んでいます。
よくある質問
ホワイトペーパーは何ページくらいが適切ですか?
中小企業のBtoBでは、10〜15ページ程度が目安です。チェックリスト型やテンプレート型なら、5〜8ページでも十分に価値があります。ページ数より、読み手がすぐに使える内容かどうかが大切です。
ホワイトペーパーは何本くらい用意すればいいですか?
まずは1本、営業がよく聞かれる質問に答える資料から始めてください。反応を見ながら、検討段階の違う資料(入門型、比較・選び方型など)を3本程度までそろえると、見込み客の段階に合わせて案内できるようになります。
ダウンロードフォームの入力項目は何を聞けばいいですか?
会社名、氏名、メールアドレス、電話番号に加えて、役職や従業員規模など、フォローの優先順位を決めるのに必要な項目に絞ります。項目が多すぎると、入力の途中でやめられてしまいます。
生成AIだけでホワイトペーパーを作ってもいいですか?
下書きづくりには役立ちますが、AIだけで完成させるのはおすすめしません。数字の誤りが混ざるおそれがあるうえ、自社の事例や意見がない資料は、他社の資料と差がつかないためです。
ホワイトペーパーの制作を外注すると費用はいくらですか?
依頼する範囲によって大きく変わります。企画から原稿・デザインまで一括で頼むか、デザインだけを頼むかで、数万円から数十万円まで幅があります。外注する場合も、テーマと読み手は社内で決めておくと、手戻りが少なくなります。
まとめ
ホワイトペーパーは、読み手の課題を主語にした「入口」の資料。営業資料とは分けて考える
最初の1本は、営業がよく聞かれる質問に答えるチェックリスト型・テンプレート型がおすすめ
企画(読み手・テーマ・タイトル・目次)に時間の半分を使う
生成AIは下書きに使い、事例・数字・意見は人が入れる
ダウンロード後のお礼メールとフォローまで決めて、はじめて商談につながる
ホワイトペーパー作りに手が回らないなら「JIMOTOの外付けマーケチーム」
当社のマーケティング代行「JIMOTOの外付けマーケチーム」は、ホワイトペーパーの企画・制作から、ダウンロード後のメール配信や商談化までを専門チームでまとめて引き受けます。
テーマ選びから原稿・デザイン・導線づくりまで一貫して対応
稼働を15分単位で記録して毎週開示。使い切らなかった分は翌月に繰り越し
月額30万円から(税別)。内製化までを見据えた支援
→ 料金プランや支援内容を見る(マーケティング代行サービスページ)
記事監修
株式会社JIMOTO Marketing Share Bureau
代表取締役 鶴 智之(プロフィール)
キャリアを通してBtoBマーケティングのクライアントワークに従事。前職では株式会社Resorzの取締役を務め、海外ビジネス支援事業にも携わる。200社以上のマーケティング支援実績と、多数の自治体案件のPM経験を持つ。「マーケティングで地域を元気に」をモットーに、地域企業の成長を支援している。
おすすめ記事
この記事を読んだ方は以下の記事も読んでます!





