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フォーム営業のやり方と文面のコツ|違法になる?注意点と送信管理表付き

この記事の筆者
中井 寛太
株式会社JIMOTO Marketing Share BureauでマーケティングやPRを担当。Web系の広告代理店で、ブランディングマネージャーとして活動した経験を活かし最新のトレンドやビジネス情報を執筆します。
「テレアポは受付で断られる。展示会は費用が重い。もっと手軽に新規の接点をつくれないか」。そう考えて、フォーム営業を検討する中小企業が増えています。一方で「迷惑がられないか」「法律的に問題はないのか」と不安を感じ、手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
フォーム営業は、やり方を間違えると会社の評判を落とします。反対に、送り先と文面を丁寧に選べば、少人数でも新しい商談の入口をつくれる手法です。
本記事では、200社以上の中小企業のマーケティングを支援してきた当社の経験をもとに、次のことを解説します。
フォーム営業の仕組みと、メリット・デメリット
フォーム営業は違法になるのか(特定電子メール法の考え方と「営業お断り」の扱い)
リスト作成から追客までの5ステップ
反応が取れる文面の型と、嫌われるNG例
そのまま使える文面テンプレートと送信管理表(Excel)
フォーム営業とは?
フォーム営業とは、企業のWebサイトにある「お問い合わせフォーム」から、営業の文章を送って接点をつくる手法です。「問い合わせフォーム営業」「フォームマーケティング」とも呼ばれます。
多くの企業はフォームに届いた内容を、担当者や経営者が目を通す仕組みにしています。そのため、受付で止まりやすい電話や、迷惑メールフォルダに入りやすいメールより、決裁に近い人に読まれる可能性があります。
テレアポ・メール営業との違い
項目 | フォーム営業 | テレアポ | メール営業 |
|---|---|---|---|
必要な情報 | 企業サイトのURL | 電話番号 | メールアドレス |
相手の時間 | 相手の都合で読める | 相手の作業を止める | 相手の都合で読める |
届く相手 | フォームの担当者(経営者のこともある) | 受付・代表電話 | アドレスの持ち主 |
1件あたりの手間 | 1社ずつ入力するため数分 | 1件数分+断りへの対応 | 一斉送信なら小さい |
主な注意点 | 「営業お断り」表記の尊重 | 時間帯・話し方 | 特定電子メール法のルール |
フォーム営業のメリット・デメリット
結論から言うと、フォーム営業は「少ない費用で、狙った企業に直接届けられる」点が最大のメリットです。一方で、相手が望んでいない連絡であることに変わりはなく、雑に送ると評判を落とすリスクがあります。
メリット | デメリット |
|---|---|
費用が小さい。外注しなければ人の時間だけで始められる | 1社ずつ入力するため、手作業では数をこなしにくい |
業種・地域・規模で送り先を自由に選べる | 反応率は高くない。文面とリストの質で大きく差が出る |
経営者や担当者に直接読まれることがある | 迷惑と感じる企業もあり、会社の評判に響くおそれがある |
文面を変えて反応を比べやすい | 「営業お断り」の企業には送れないため、送れる数に限りがある |
当社の支援現場での目安では、フォーム営業の反応(返信・資料請求・面談の申し込み)は送信数の0.5〜2%程度です。100社に送って1〜2社から返事がある、という感覚で計画を立てると、期待と現実のずれが小さくなります。
フォーム営業は違法?押さえておきたい法律の考え方
結論として、フォーム営業そのものを直接禁止する法律の条文は見当たりません。ただし、関係する法律の考え方を知らずに送ると、トラブルや法的リスクにつながるおそれがあります。ここでは一次情報をもとに整理しますが、自社の運用が問題ないかの最終判断は、弁護士などの専門家に確認してください。
特定電子メール法が対象にする「電子メール」
広告や宣伝のメールを規制するのが「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(特定電子メール法)です。総務省と消費者庁が所管しています。
この法律の「電子メール」は、総務省令で定める通信方式を使うものとされています。省令では、SMTP(シンプルメールトランスファープロトコル)を使う方式と、電話番号を使って携帯端末に送る方式(SMS)が定められています。
問い合わせフォームへの入力・送信は、Webページ上の操作であり、SMTPでメールを送ることとは仕組みが異なります。そのため、フォーム営業は同法の対象外と考える見方があります。一方で、フォームの仕組みや送信の実態によって評価が変わる余地もあり、当社として「対象外」と断定はできません。迷う場合は専門家に確認してください。
確実に言えるのは、フォームに書かれたメールアドレスへ営業メールを直接送る場合や、返信をきっかけにメールでやりとりを続ける場合は、通常の広告メールとして同法のルールを守る必要がある、ということです。
「営業お断り」の表記は必ず尊重する
特定電子メール法には、事前の同意がなくても広告メールを送れる例外がいくつかあります。その一つが、インターネットでメールアドレスを公表している団体や営業を営む個人に送る場合です。
ただし、アドレスと一緒に「広告宣伝メールを送らないでほしい」という趣旨の文言が公表されている場合は、この例外が使えません。ガイドラインでは、「広告メール」「宣伝メール」などの言葉と「拒否」「お断り」などの言葉を組み合わせた表示を例に挙げています。
フォーム営業がこのルールの対象になるかどうかは別として、「営業お断り」と書いている企業は、営業の連絡を望んでいないと明確に意思表示しています。当社では、表記がある企業には送らないことを運用の大前提にしています。
送信者情報は正しく、すべて書く
特定電子メール法では、広告メールに次の事項を表示することが義務づけられています。フォーム営業でも、同じ水準で書いておくと相手の不信感を減らせます。
表示する事項 | フォーム営業での書き方の例 |
|---|---|
送信者の氏名または名称 | 会社名と担当者名 |
受信拒否の通知ができる旨と、その連絡先 | 「今後のご案内が不要な場合は、〇〇までお知らせください」 |
送信者の住所 | 会社の所在地 |
苦情・問い合わせの窓口 | 電話番号、メールアドレス、またはURL |
また同法では、送信者情報を偽って送ることに刑事罰(法人には3,000万円以下の罰金)が定められています。架空の社名や担当者名を使うことは絶対に避けます。
そのほか気をつけたいこと
短期間に何度も送らない:同じ企業に繰り返し送ると、相手の業務の妨げになり、トラブルのもとになります。法的な評価が気になる場合は専門家に確認してください。
停止の連絡が来たら必ず止める:特定電子メール法では、受信拒否の通知を受けた後の送信が禁止されています。フォーム営業でも同じ扱いにし、停止リストで管理します。
相手サイトの利用規約を確認する:フォームの利用目的を問い合わせに限っている企業もあります。
ロボット対策を回避するツールは使わない:CAPTCHAなどの仕組みは、機械的な送信を望まないという意思の表れです。
フォーム営業のやり方5ステップ
当社が支援現場で使っている手順です。いきなり大量に送るのではなく、まず100社程度で文面を試し、反応を見てから広げます。
ステップ | やること | 目安 |
|---|---|---|
1. リストを作る | 業種・規模・地域で送り先を絞り、営業お断り表記を確認する | 1〜2日 |
2. 文面を作る | 件名・冒頭・本文・CTA・署名の型で300〜400字にまとめる | 1〜2日 |
3. 送信する | 1社ずつ内容を確かめながら送る。1日20〜50社程度に分ける | 1〜2週間 |
4. 反応を管理する | 返信・資料請求・停止依頼を管理表に記録する | 毎日 |
5. 追客する | 反応のあった企業だけに、資料送付→電話→面談の順で進める | 随時 |

ステップ1:リストは「狙う理由」が言える企業だけにする
反応率を左右するのは、文面よりもリストです。「自社が過去に成果を出した業種」「同じ地域」「同じくらいの規模」など、送る理由を1行で説明できる企業に絞ります。
リストを作るときに、フォームの周辺やサイトのフッター、利用規約に「営業お断り」「セールスのご連絡はご遠慮ください」などの表記がないかを確認し、管理表に「有/無」で記録しておきます。
ステップ2:文面は相手が1画面で読み切れる長さに
文面は300〜400字が目安です。スマートフォンで開いても1画面で読み切れる長さにします。書き方は次の章で詳しく紹介します。
ステップ3:送信は1社ずつ、内容を確かめながら
フォームによって、件名欄がない、文字数に上限がある、業種の選択が必須など、形式がばらばらです。一社ずつ確認しながら送ることで、宛名の間違いや文字化けといった失礼を防げます。
送信を外部の代行会社に任せる場合も、送り先の基準、営業お断りの扱い、停止依頼への対応を事前に書面で取り決めておくと安心です。
ステップ4:反応は「種類」まで分けて記録する
反応は、返信・資料請求・面談の申し込み・停止依頼に分けて記録します。停止依頼が多い文面は、内容か送り先がずれているサインです。
ステップ5:追客は反応のあった企業だけに
反応がなかった企業に、続けて何度も送るのは避けます。追客するのは、返信や資料請求があった企業だけです。資料を送った後、1週間ほどで電話かメールで一言フォローし、15分程度の情報交換を提案すると、面談につながりやすくなります。
反応率を上げる文面のコツ
反応が取れる文面に共通するのは、主語が「自社」ではなく「相手の課題」になっていることです。相手は売り込みを読みたいのではなく、自社の役に立つ情報かどうかを数秒で判断しています。
要素 | 書き方の型 | 記入例 |
|---|---|---|
件名 | 誰に・何の話かを30字以内で | 製造業の採用ページ改善事例のご案内(株式会社〇〇) |
冒頭 | 突然の連絡のおわび+なぜこの会社に送ったか | 貴社の採用ページを拝見し、お役に立てる情報があると考えご連絡しました |
本文 | 相手の課題→解決のヒント→根拠(事例・数字) | 同じ規模の製造業で、募集要項の書き方を変えて面接の参加率が上がった例があります |
CTA | 負担の小さい行動を1つだけ | ご関心があれば「資料希望」とだけご返信ください |
署名 | 会社名・氏名・住所・電話・停止の連絡方法 | 今後のご案内が不要な場合は、本メールアドレスまでお知らせください |
コツ1:なぜこの会社に送ったのかを書く
「貴社のサイトを拝見し」だけでは、一斉送信と区別がつきません。「採用ページで〇〇職を募集されているのを拝見し」のように、相手のサイトを見たからこそ書ける一文を入れます。
コツ2:次の一歩は小さく、1つだけ
いきなり「1時間ほどお打ち合わせを」と頼むと、相手の負担が大きすぎます。「資料希望とだけご返信ください」「15分だけ情報交換を」など、すぐに返せる行動を1つだけ示します。
コツ3:パターンを2つ用意して比べる
課題提起型と事例紹介型など、2つのパターンを用意し、送り先を半分ずつに分けて反応を比べます。50社ずつ送れば、どちらの文面が自社に合うかの傾向が見えてきます。
フォーム営業の嫌われるNG例
反応がない文面には、はっきりした共通点があります。自分が受け取る側だったら読むかどうか、という目で見直してみてください。
件名が「ご提案」「重要なお知らせ」:中身が分からない件名や、重要な連絡を装う件名は、それだけで信頼を失います。
長い会社紹介から始まる:相手が知りたいのは「自分に関係があるか」です。会社紹介は署名で十分です。
宛名や業種の差し込みミス:別の会社名が入っている文面は、一斉送信であることが一目で分かります。
「ぜひ一度お打ち合わせを」で終わる:相手の負担が大きく、返信のハードルが上がります。
停止の連絡方法が書かれていない:断る手段がないと、相手はより強い不快感を持ちます。

そのまま使える文面テンプレートと送信管理表
文面の型と送信の記録を1つのファイルで管理できるよう、Excelのテンプレートにまとめました。シートの構成は次のとおりです。
シート | 中身 |
|---|---|
使い方 | 目的、記入の手順、法律面などの注意点 |
文面テンプレート | 件名・冒頭・本文・CTA・署名の書き方の型と、課題提起型・事例紹介型の2パターンの記入例 |
送信管理表 | 送信日、企業名、業種、フォームURL、営業お断り表記の有無、送信可否、文面、反応、次の対応、次回対応日 |
送信管理表では、営業お断り表記に「有」と入れると送信可否に「送信しない」と自動で表示されます。表の上部では、送信数・反応数・反応率と、文面パターン別の反応率が自動で計算されます。反応率は「反応数÷送信数」で求めています。

記事内のテンプレート(Excel)は無料でお渡ししています。ご希望の方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
フォーム営業は他の施策と組み合わせると成果が出やすい
フォーム営業だけで商談を量産するのは簡単ではありません。成果が出ている企業の多くは、フォーム営業を「最初の接点づくり」に使い、その後の情報提供や追客を別の施策で支えています。
当社の支援事例では、福岡県のコンサルティング会社(従業員4名)で、フォームマーケティングを含む複数の施策を組み合わせ、半年で65件のリードを獲得しました。フォーム営業で接点をつくり、資料や事例を渡し、反応のあった企業を丁寧に追客する流れを整えたことが成果につながっています。
組み合わせる施策 | 役割 |
|---|---|
お役立ち資料・事例集 | フォーム営業のCTAで渡す「次の一歩」になる |
自社サイトの事例ページ | 文面を読んだ人が会社を確かめる場所になる |
メルマガ | 資料を受け取った人に、継続して情報を届ける |
電話・面談 | 反応のあった企業との商談につなげる |
少人数の会社で、これらを社内だけで回すのは負担が大きいものです。企画や運用の一部をマーケティング代行に任せ、社内は商談に集中する、という分担も選択肢になります。ほかの企業の取り組みはBtoBマーケティングの成功事例でも紹介しています。
よくある質問
フォーム営業は違法ですか?
フォーム営業そのものを直接禁止する条文は見当たりません。特定電子メール法の「電子メール」はSMTPなどの通信方式を使うものと定められており、フォームへの入力は仕組みが異なるため対象外と考える見方があります。ただし断定はできないため、運用ルールを決める際は専門家に確認してください。どちらにしても、営業お断りの表記の尊重、送信者情報の明記、停止依頼への対応は守るべきです。
「営業お断り」と書いてある企業に送ってもいいですか?
送らないでください。特定電子メール法では、メールアドレスと一緒に送信お断りの文言が公表されている場合、同意なしに広告メールを送れる例外が使えません。フォーム営業がこの規定の対象かどうかにかかわらず、相手の明確な意思表示として尊重するのが当社の考え方です。
フォーム営業の反応率はどのくらいですか?
当社の支援現場での目安では、返信・資料請求・面談の申し込みを合わせて送信数の0.5〜2%程度です。リストの絞り込みと文面によって大きく変わるため、まず100社程度で試し、反応率を見てから広げることをおすすめします。
フォーム営業の自動送信ツールは使ってもいいですか?
入力の手間を減らすツール自体はありますが、使い方には注意が必要です。営業お断りの表記を見落とす、宛名を間違える、CAPTCHAを回避するといった使い方は、相手の信頼を失うもとになります。ツールを使う場合も、送り先の確認と停止依頼の管理は人が行ってください。
フォーム営業の文面はどのくらいの長さがよいですか?
300〜400字が目安です。件名・冒頭・本文・CTA・署名の5つの要素を入れ、スマートフォンでも1画面で読み切れる長さにまとめます。
まとめ
フォーム営業は、少ない費用で狙った企業に直接届けられる一方、雑に送ると評判を落とす
法律面は解釈の幅があるため専門家に確認しつつ、営業お断りの尊重・送信者情報の明記・停止依頼への対応は必ず守る
リスト作成→文面→送信→反応管理→追客の5ステップで、まず100社程度から試す
文面は相手の課題を主語にし、次の一歩は負担の小さい行動を1つだけにする
フォーム営業の運用に手が回らないなら「JIMOTOの外付けマーケチーム」
当社のマーケティング代行「JIMOTOの外付けマーケチーム」は、フォーム営業のリスト設計や文面づくりから、渡す資料の制作、反応のあった企業の追客設計までをまとめて支援します。
送り先の基準づくりから文面の改善、追客の流れまで一貫して対応
稼働を15分単位で記録して毎週開示。使い切らなかった分は翌月に繰り越し
月額30万円から(税別)。内製化までを見据えた支援
→ 料金プランや支援内容を見る(マーケティング代行サービスページ)
参考文献
出典 | 参照した内容 |
|---|---|
オプトイン規制とその例外、アドレス公表時の送信お断り表示、表示義務の項目、受信拒否後の送信禁止、罰則 | |
アドレス公表の例外と、送信お断りの文言の表示方法 | |
同法の「電子メール」の通信方式(SMTPを使う方式、電話番号を使う方式) | |
特定電子メール法の概要と所管 |
記事監修
株式会社JIMOTO Marketing Share Bureau
代表取締役 鶴 智之(プロフィール)
キャリアを通してBtoBマーケティングのクライアントワークに従事。前職では株式会社Resorzの取締役を務め、海外ビジネス支援事業にも携わる。200社以上のマーケティング支援実績と、多数の自治体案件のPM経験を持つ。「マーケティングで地域を元気に」をモットーに、地域企業の成長を支援している。
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